8日目 スペイン コルドバとセビ-リャ

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  今日はコルドバへ行くことにしました。大通りでタクシーを拾ってスペイン国鉄Renfe La Red de los Ferrocarriles Españoles)の駅へ向かいます。日本であらかじめインターネットで列車の時間を 調べてあったので窓口でその列車の切符を買おうとしたのですが、窓口のおじさんが、今なら1本前の列車に乗れて、その方が安い、と言うのです。Renfeのホームページを見ていて気がつかなかったのですが、説明によるとAVE(Alta Velocidad Española : スペイン高速列車)と言うのとAV(Alta Velocidad :高速列車)と言うのがあり、後者の方が値段が安いというのです。言われるままにチケットを買い、大急ぎでホームへ向かいます。ここで手荷物検査があります。2004年3月11日に 首都マドリードでおきた連続列車爆破事件以来、警戒は厳しい様ですが、空港のような緊張感はなく、子供連れなので、「おもちゃのピストルを持っているのと違うか?」などと冗談を言っていました。車内は2列× 2で、日本の新幹線より狭く、 フランスのTGVと同じような感じでした。でも、子供達はゆったりとした座席に満足そうな様子でした。列車はコルドバまでノンストップで45分です。ブドウ畑が続く丘陵地を快適に走ります。駅からはタクシーで市の中心部、メスキータ(モスク)・ カテドラルまで行きました。

Renfe - Sevilla AVE - Interiore Sevilla a Cordoba
コルドバへの高速鉄道とその車内

 コルドバは10世紀にアブデラフマーン3世がイスラムのカリフ(回教王)としてこの地に君臨しましたことで有名です。13世紀にフェルナンド3世がこの町を奪い返すと、この世界最大級のモスクもキリスト教の教会として使われるようになりました。中へ入って、 先ず驚かされるのはイスラム寺院そのものの無数のアーチです。斜めから見ても正面から見ても重なり合うように作られたアーチには圧倒されます。また、内部のあちこちに、アラビア文字を書いた装飾が見受けられます。その一方で、伝統的なヨーロッパの キリスト教教会の装飾も見られます。キリスト教徒が権力を奪還した時、イスラムの建造物を破壊しなかったことに感謝せざるを得ませんでした。

Mezquita Catedoral Mezquita Catedoral Mezquita Catedoral
メスキータ・カテドラルの外観
中庭にはオレンジが植えられ、涼しい木陰を作っています
キリスト教会の部分

モスクが残っている部分です
Mezquita Catedoral Interior Mezquita Arabesque
このようなアーチが850本も作られています アラビア文字による装飾がとても美しいです

Calleja de Flores Calleja de las Flores - Fontaine

 メスキータの北には白い壁で挟まれた狭い路地があります。壁には花の鉢が飾られ、「花の路地」(Calleja de Flores)と呼ばれいます。振り返ると路地の奥にちょうどメスキータの塔が見えます。路地の奥は小さな 広場になっており、花で囲まれた泉があります。

花の路地 路地の奥の小さな広場

 その後は王宮(Alcázar)へ行きました。イスラム時代の宮殿のあとにカスティーリャ王国のアルフォンソ11世によって建てられた城です。ここは水をふんだんに使ったイスラム様式が残る庭園が有名です。勾配を利用して水が流れていく大きな池と、 その両側から吹き上がる細い噴水の列は見事です。40度近い気温で、突き刺さるような太陽の光は強烈でしたが、池の両側の木立の中は涼しく、乾燥したそよ風に吹かれて昼寝でもしたい雰囲気でした。王宮を出て昼食後、セビーリャに戻りました。

Alcazar Jardin de Alcazar
王宮の庭園の池。両側からの細い噴水が涼感を誘います。
Alcazal - Jardin Ryo en Jardin de Alcazar Jardin de Alcazar
炎天下での記念撮影です。太陽光線の強さは強烈でした。

 ホテルへ戻って一休みした後、ようやく涼しくなり始めた頃にスペイン広場(Plaza de España)へ出かけました。ここは1929年の博覧会の会場となった場所で、広大な半円形の建物に囲まれています。中央には大きな噴水があります。建物の1階部分は スペイン各都市の歴史、エピソードを表現した見事なモザイク画を配したベンチが58カ所あります。広い階段を上るとテラスに出て、広場を一望することができます。 いつまでも明るいのでついゆっくりしてしまい、広場を後にしてホテルへ戻ると、もう9時になっていました。  

Plaza Espana Plaza de espana - Barcelona Plaza de Espana - escalier Plaza de Espana - Balcon
スペイン広場全景 バルセロナのコーナー テラスへ上がる階段 テラスから見た広場

Information

スペイン国鉄 renfe

 高速鉄道に関してはマドリッドを中心として南へはコルドバ、セビーリャ、マラガ、グラナダ、アリカンテ、バレンシアまで、西はレオンまで、東はバルセロナを経由してフランス国境まで完成しています。在来線の軌道幅はヨーロッパの標準の1,435mmより広く、 1,668mmのイベリア広軌ですが、高速鉄道網はフランスとの相互乗り入れのため標準広軌を使っています。また、在来線との相互乗り入れのために軌間可変の車両を世界に先駆けて開発しました。
 私達が利用した2005年頃からは変わり、色んな種類の高速車両が走っています。私達が乗ったAVはInercityという名称に変わっていますが、AVEの格安代替版と言う役目は変わっていないようです。チケットの購入は ホームページから出来ます。ホームページは言語を選べるようになっていますが、英語、フランス語以外に、カステリャーノ=スペイン語(Castellano)、カタロニア語(Catalán)、 バレンシア語(Valenciano)、バスク語(Euskera)、ガリシア語(Gallego)があり、カタロニア問題に代表されるスペインの民族問題を象徴しているようで興味深いです。
 スペインの鉄道は時間通りは知らないことではイタリアと並んで有名ですが、マドリード/バルセロナ/マラガ間のAVEについてはドイツのシーメンスの援助を受け、定時運行率 99.9% を達成しました。また、15分以上の遅延発生時には運賃の払い戻しを するようになったそうです。


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