ウランバートル Ulaanbaatar

 モンゴル国の首都、ウランバートルは国の人口の4割近くに相当する122万の人々が暮らす大都市です。トール川とシルベ川が流れるこの街の標高は1,350m もあります。典型的な内陸型の気候で、標高と緯度が高いことから夏はかなり暑くなることが あるものの、涼しくて過ごしやすいです。9月になると寒いくらいになり、9月下旬に訪れた時は、水たまりに薄氷が張っていました。冬はマイナス20度以下になるそうです。
 私が初めて訪れてからの13年間で街の様子は大きく変わりました。下の写真は街の南にあるザイサン・トルゴイの丘からほぼ同じ方向を写した写真です。丘のすぐ下には金色の大きな仏像が建っていますが、2018年にはその周囲も含めて、市内にも高いビルが 非常に増えていることがわかります。

UB-2005 UB-2015
2005年9月22日 ザイサン・トルゴイの丘より見た市街
UB-2007 UB-2008
2007年9月13日 2008年9月12日
UB-2018
2018年9月4日

 急速に人口が増え、車社会となったウランバートルの交通事情はなかなか大変です。朝夕はもとより、一日中渋滞に悩まされます。車での移動はかなり時間的余裕を見ておかないと遅刻します。公共交通機関としては乗り合いのマイクロバスと 路線バスがあります。乗り合いのバスは行き先が同じ方向の人を集めて満席になると走り出します。言葉がわからない外国人が利用するのはまず不可能です。バスも乗りませんでしたが、今は非接触型のICカードで乗れるようになっているそうです。 もう日本では見ることが出来なくなったトロリーバスも走っています。恐らくソ連時代からの車両だと思われるトロリーバスが走っていますが、2016年に行った時には「Made in Mongolia」と書かれた青い車体の新しいトロリーバスが走っていました。

ウランバートルの渋滞 トロリーバス
ウランバートル市内の渋滞 古いトロリーバ

スフバートル広場とザイサントルゴイの丘

 市の中央にあるスフバートル広場はウランバートルを代表する広い広場で、色々な催しが行われています。一時、チンギス・ハーン広場と呼ばれていた時期もありました。中央にはモンゴル革命の英雄、スフバートルの像があり、北側は政府宮殿です。 その前面にはチンギス・ハーンが鎮座する像があります。

スフバートル広場 スフバートル広場チンギス・ハーン像

 市の南にあるザイサントルゴイの丘は頂上から市内が一望できる絶景の場所です。私達が何度も訪れた国立モンゴル農科大学(現・ モンゴル生命科学大学)のキャンパスのすぐそばです。頂上の広場には1971年に建てられた、広場を取り囲むような戦勝記念碑があります。モンゴルの歴史とともにソ連と第2次世界大戦でナチスと日本帝国に勝利した様子がモザイクで描かれています。 2005年に初めて訪れた時には中央にモンゴル伝統の火「トルガ」がありましたが、いつの頃からか無くなっていました。ウランバートルへ行くたびに登っていましたが、地元の人たちもよく来るようで、結婚式を済ませた家族にも出会ったりしました。

ザイサントルゴイの丘

2016年 京都学園大学の学生達と

ザイサントルゴイの丘

結婚式の記念撮影

ウランバートルの寺院 ~ ガンダン・テグチンレン寺院とチョイジンラマ寺院 ~

 ウランバートルにはいくつかの仏教寺院があります。その中でも最も規模が大きく、有名なのがガンダン・テグチンレン寺院です。チベット仏教の寺院で、1838年に建立されましたが、ソ連時代には仏教寺院としての機能を失っていましたが、民主化以降 は宗教大学も併設され、仏教再興の中心的役目も果たしています。境内では多くの修行僧と出会います。一番の見所は高さ25m の観音像です。この像もソ連時代に破壊され持ち去られたので、今あるのは1996年に再建された2代目です。観音像の周りを マニ車(祈祷車)を回しながら歩む人々の姿が印象的です。

ガンダン寺 ガンダン寺
ガンダン寺 ガンダン寺観世音菩薩

 市内のビルに囲まれたところにあるチョイジンラマ寺院は1908年に建立された小さなお寺ですが、独特の雰囲気があります。地獄の恐ろしさを諭すために描かれたと思われる曼荼羅などの絵画は、おどろおどろしいです。

チョイジンラマ寺院 チョイジンラマ寺院
チョイジンラマ寺院

ウランバートルの博物館 ~ モンゴル民族博物館と恐竜博物館 ~

 ウランバートルにはいくつも博物館があります。チョイジンラマ寺院のようにお寺が博物館になっている場合もあります。その中でも最も興味深かった二つの博物館の紹介です。モンゴル民族博物館は先史時だから現代に至るまでの歴史がわかりやすく 展示されています。壮大な遠征を行ったチンギス・ハーンの時代の歴史や、時代と民族の違いによる衣装の展示も充実していて面白いです。

農耕機具

博物館の正面

農機具の展示

チンギス・ハーンの時代 ソ連時代の電信機

チンギス・ハーンの大遠征

ソ連時代の電信機


 モンゴルの南部、ゴビ地方は恐竜の化石が多く出土することで有名です。その化石はかつては自然史博物館に展示されていましたが、その博物館が改修工事のために2008年頃から閉鎖されました。展示品のうち恐竜の化石だけが新たに出来た 恐竜博物館に展示されています。最初は仮置き場みたいな感じでしたが、2018年に訪れた時はきれいに整備され、学芸員の方の説明もありました。なんと言っても、タルボザウルスの巨大な全身骨格化石は見応えがありました。

恐竜博物館の入り口 Tarbosaurus

恐竜博物館の入り口。巨大な恐竜の頭が目印。

最初に出迎えてくれるTarbosaurusの全身骨格化石

Ornithomimosaurus 恐竜の卵

Ornithomimosaurus

恐竜の卵

子供の恐竜 亀の化石

子供の恐竜

恐竜時代の亀の化石



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